RF分析

RF分析とは?
購買だけでなく「来訪」の温度を測る手法

Note: 本記事では、無線通信のRF(Radio Frequency)ではなく、マーケティング指標としてのRecency(最新接触)× Frequency(頻度)について解説します。

RF分析とは(詳細定義と背景)

RF分析とは、顧客の「最新来訪日(Recency)」と「来訪頻度(Frequency)」の2軸でユーザーを分類するマーケティング手法です。元々はダイレクトマーケティングの世界で使われてきたRFM分析(Recency・Frequency・Monetary)を簡略化したもので、「金額(M)」を除いた2軸だけで顧客の温度感を把握します。

この手法が注目される背景には、ECサイトだけでなくメディア、SaaS、アプリなど「購入を伴わないビジネスモデル」が増えたことがあります。これらのビジネスでは売上金額よりも「エンゲージメント」こそがKPIであり、来訪の頻度と鮮度で顧客の関心度を測る方が実態に即しています。

RF分析は、データ基盤が未整備な企業でも比較的容易に始められる点も魅力です。アクセスログさえあれば最低限の分析が可能であり、高額なBIツールやDMPを導入する前のファーストステップとして適しています。

RFM分析との違い

RFM分析はRecency・Frequency・Monetaryの3軸で顧客をセグメント化するクラシックな手法です。RF分析との最大の違いは「金額軸(M)」の有無です。

RFM分析は購入金額を重視するため、EC事業のように取引データが明確に存在するビジネスに適しています。しかし、以下のようなケースではM軸が機能しません。

  • メディアサイト:収益は広告モデルであり、ユーザー個人の購入金額が存在しない
  • 無料会員サービス:全員がM=0のため、金額で差がつかない
  • SaaS(定額課金):月額が一律のため、金額軸では顧客の温度感が見えない
  • アプリ:課金がないアプリでは来訪頻度がエンゲージメントの最重要指標になる

RF分析はM軸を省略することで、これらの「非購買ビジネス」にも適用可能な汎用性の高い手法となっています。一方で、ECサイトにおいてもRF分析は有効です。「まだ買っていないが頻繁に訪問している」ユーザーを発見するには、購買データではなく来訪データに注目する必要があるためです。

来訪頻度(F)の計測方法

Frequency(来訪頻度)とは、ある期間内にそのユーザーがサイトを何回訪問したかを表す指標です。計測の精度はビジネスの意思決定に直結するため、以下の点に注意が必要です。

計測期間の設定

一般的には直近30日・60日・90日のいずれかを基準にします。商材のリピートサイクルに合わせるのが鉄則です。例えば、消耗品ECなら30日、家電ECなら90日以上が妥当でしょう。

セッションの定義

GA4ではデフォルトで30分以上の非アクティブ状態を挟むと新しいセッションとしてカウントされます。この閾値をそのまま使うか、ビジネスに合わせてカスタマイズするかを検討しましょう。

クロスデバイスの問題

同一人物がスマホとPCで訪問した場合、Cookie計測では「2人が1回ずつ」と記録されます。正確なFを算出するには、User IDによる名寄せが不可欠です。

最新来訪日(R)の活用

Recency(最新来訪日)は、顧客が直近でいつサイトに接触したかを表す指標です。マーケティングにおいて「鮮度」は極めて重要なシグナルであり、最新来訪日が近いほど、そのユーザーが何らかのアクションを取る確率は高くなります。

R値の活用方法として、まず「離反予兆の検知」が挙げられます。これまで毎週来訪していたユーザーが3週間来なくなった場合、離反の兆候として早期にリテンション施策(メール、プッシュ通知、クーポン送付など)を打つことができます。

次に「リマーケティング広告の最適化」です。最終来訪から7日以内のユーザーは意欲が高いため広告入札を強め、30日以上経過したユーザーは除外するか入札を弱める、というR値ベースの運用が効果的です。

さらに「コンテンツのパーソナライズ」にも応用できます。前回来訪から日が浅いユーザーにはリピーター向けコンテンツを、久しぶりのユーザーには「お帰りなさい」メッセージと直近の人気商品を表示するなど、体験を最適化できます。

RF分析で見える4つの顧客セグメント

RとFの2軸でマトリクスを描くと、代表的な4つの顧客セグメントが浮かび上がります。

1. アクティブロイヤル(R高 × F高)

直近も来訪しており、頻度も高い。最も熱心なファン層です。この層にはロイヤルティプログラムの案内や限定オファーが効果的です。離反させないことが最優先の施策となります。

2. 新規・一見さん(R高 × F低)

最近来たが、まだ1〜2回しか来ていない層。初回体験の質が今後のリピートを左右します。ウェルカムシリーズのメールやオンボーディング施策でF値を上げることを狙います。

3. 休眠予備軍(R低 × F高)

かつては頻繁に来ていたが、最近来なくなった層。離反が進む前にリテンション施策を打つ最後のチャンスです。「最近見かけませんが…」といったリエンゲージメントメールが有効です。

4. 離反済み(R低 × F低)

来訪頻度も低く、最近も来ていない。マーケティングコストの投下は最小限にとどめ、リソースを他セグメントに集中すべきです。

ECサイトでのRF分析活用法

ECサイトでは、購買データとアクセスデータの両方を組み合わせることで、RF分析の価値が最大化します。具体的な活用シーンを見てみましょう。

カゴ落ちリカバリーの優先順位付け:カート放棄したユーザー全員にメールを送るのではなく、R高×F高の「常連なのにカゴ落ちした」ユーザーを優先することで、回収率を高められます。

セール告知のセグメント配信:全ユーザーに一斉配信するのではなく、RF値に基づいて「アクティブロイヤルには先行案内」「新規には初回割引付きの案内」「休眠層にはインパクトの強い訴求」と出し分けることで、配信効率が大幅に向上します。

商品レコメンドの最適化:F値が高いユーザーには閲覧履歴に基づくレコメンドが刺さりやすく、F値が低い新規ユーザーには人気ランキングベースのレコメンドが効果的です。

LTV予測の精度向上:RF値の変化傾向(FがLが上昇トレンドか下降トレンドか)を追うことで、将来のLTV(ライフタイムバリュー)をより正確に予測できます。

導入の具体的なステップ

RF分析を自社に導入するための実践的なステップを解説します。

  1. 計測基盤の整備:GA4の設定を見直し、User IDの送信やイベント計測を正しく行えているか確認します。データの正確性が分析の土台です。
  2. R・Fの定義を決める:自社のビジネスサイクルに合わせて、R(最終来訪からの経過日数)とF(来訪回数の計測期間)の基準を設定します。
  3. セグメント閾値の設定:R・Fそれぞれを「高・中・低」などに区切る閾値を決めます。最初はシンプルに2×2の4象限から始めるのがおすすめです。
  4. 現状の可視化:既存の顧客データをRFマトリクスにプロットし、各セグメントのユーザー数と割合を把握します。
  5. セグメント別施策の設計:各象限に対して「何をするか」「何を配信するか」を具体的に設計します。
  6. 効果測定と改善:施策実施後、RF値の変化(特にF値の上昇やR値の改善)を追跡し、PDCAを回します。

なお、これらのステップを手動で行うと膨大な工数がかかります。RFマトリクスのような専用ツールを活用すれば、GA4連携だけで自動的にRF分析が可視化され、施策に直結するインサイトを即座に得ることができます。

GA4連携で、来訪RFを可視化

RFマトリクスは、GA4のデータを連携するだけで、「来訪ベース」のRF分析も自動生成します。セグメント別の施策実行まで、ワンストップで実現。

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